渡部さとる写真展「2Bとマンデリン」-そして僕は、この町を離れる。
の写真展が先週、金曜日から始りました。
渡部さとるさんは日芸の写真学科を卒業され日刊スボーツ社を退職し、フリーに。
15年前に江古田(日芸の近く)駅から徒歩5分程の所に2Bのワークショップを立ち上げられた。
卒業生は600人は超えるとのこと。
そのワークショップがあるビルが、老朽化のため立て直すとのことで今年の3月に引っ越しをされる。
大學時代から2Bのワークショップの今日迄、長く青春を過ごされた町から離れる。
古き江古田町の時代の記憶の写真と、変遷しつつある現在を記録として残したいとの思いの作品。
一番古くは20年前に撮影されプリントをされた「エディション1分の1」の、とても貴重な作品も展示をお願いした。
作家・渡部さとるさんは江古田の町を離れるに当たり下記の言葉を綴られている。
2Bとマンデリン そして僕はこの町を離れる
池袋から三駅、小さな町の喫茶店に40年近く通っている。少なくとも週に一度、学生時代は毎日欠かさず、講義に出ない日はあってもお店に行かない日はなかった。辛いカレーを食べ、苦くて甘いマンデリンを飲む。
独立するとこの町に事務所を作った。暗室があり、日当たりのいい部屋があり、やがて人が集まる場所になった。僕にとっての東京はこの町のことだった。
2018年、この町を離れる時がきた。事務所ビルが立て替えのため出て行くことになったのだ。
僕はずっとこの町を撮り続けてきた。駅前であったり、商店街であったり、銭湯の煙突であったり。意識は宙ぶらりん、大脳で判断するというより、小脳が反応するように撮ってきた。
ただ、常にいつかはこの町を離れるであろうことだけは分かっていた
松岡正剛はノスタルジーを「取り戻したい故郷が失われたことを巡る感情」と定義した。
この表現こそが「2Bと苦くて甘い珈琲」を巡る思いなのかもしれない。
テキストがシメスようにとてもウェットな作品群である。
もともと、渡部さとるさんの作品はウェット気味であったが、この度の作品『「2Bとマンデリン」-そして僕は、この町を離れる』は、とても・とてもウェットな作品である。
それだけ、江古田の町に染み込んでいたのだろうと思う。
高橋自身、何方かと言えばジャズでもブルース調が好きなように、ウエットな人間。
毎朝、ギャラリー冬青に展示してある作品を見て、共感、強調している。
1960年代のブルースがとても似合う作品群。
会期中はほぼ渡部さとるさんは在廊をして戴けます。
是非、語らって下さい。
●第三回目の=『作家の頭の中見せます』-「本棚か語る作家の素顔」を開催致します。
今回の本棚は渡部さとるさんの本箱の一部を切り取ってお持ち戴けることになりました。
●先着10名様まで会費、無料。
1月10日午後19時〜21時まで
※お申し込みはギャラリー冬青 <gallery@tosei-sha.jp>のメール、電話03-3380-7123にてお願い致します。
●下記、コマーシャルは冬青社、ギャラリー冬青、高橋国博のブログとは全く関係がございません。