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2018年8月2日 星野寿一写真展こうみょう《光明》〜NOVA

いよいよ、待ちに待ったとでも表現すれば良いのか、言葉にならない。

明日から『星野寿一写真展こうみょう《光明》〜NOVA』が始ります。

アンプロタイプ(ガラスカンパン)作品5点、ティンタイプ21点の作品がギャラリー冬青に展示されます。

以前より長く「湿板」の写真展を行いたいと希望を抱き続けていました。

その「湿板」を写真家・星野寿一さんが制作していることを知り、いつお願いをすれば良いのかチャンスを伺っていました。

「湿板」作品の大変さは写真家でない高橋ですら理解していたからです。

そのことも踏まえ、思い切ってこの度、お願いを致しました。

 

『人は人を大切に致せば「夢」は叶えられる。』高橋が敬愛してやまない、私を編集者として導き育てて戴いた、故古山高麗雄先生の言葉。

「湿板」写真にチャレンジされてこられた星野寿一さんの立ち振る舞いに接しさせて戴いたとき、今は亡き古山高麗雄先生の言葉を思いだしていました。

星野寿一さんご夫妻と出合い、「湿板」写真表現はこの人を置いていないと直ぐさまに理解させ戴くことが出来ました。

いよいよ明日から「湿板」写真文化がギャラリー冬青で華開きます。

こんな至福なことはない。

今日は展示の日。

今日のことを考え、昨日は興奮のあまり殆ど眠れなかった。

 

特にアンプロタイプの作品は1点ものです。写真家・星野寿一さんですら10枚も満たない大切な作品の中から選んで戴きこの度、展示をして戴くことになりました。

この度のアンプロタイプの作品5点は作家・星野寿一さんが作品制作に情熱を向けられ、大変な技術の習得のもと、想像を超える制作年月をかけられて、それも失敗の連続の末に完成された作品です。

お手元において置かなくてはならない作品を敢えて展示をして下さった。

写真家・渡部さとる氏の説得もあってのこととお聞きしている。

 

ティンタイプ21点の作品はアルミ板に特殊加工を施し焼き付かれた作品。

作品制作のプロセス中に何度かご自宅に訪問させ戴き拝見をさせて戴いた。

緊張の連続。

失敗の繰り返し。

また、緊張。

一瞬の油断、心のゆるみも許されない作業が続く。

バライタに焼き付けることも大変だが、このティンタイプのプロセスには気の遠くなる作業の繰り返してこられた星野寿一さんの姿は一目見て直ぐさまに理解が出来ました。

 

高橋がご自宅で拝見をさせて戴いたとき星野寿一さんに申し上げた。

これでもう十分です。

これを展示させて下さいと。

星野さん、高橋社長ダメですよ!!。

展示できません。

やり直しますと・・・。

と、キッパリと・・・。

帰りすがら星野寿一さんのことを考えたとき、大変なことをお願いしてしまったと、反省をしつつも、でも一人でも多くの方々に「湿板」写真の素晴らしさを解って欲しい。

理解して欲しい。

さらには観る人に楽しんで欲しいと願いつつ、星空につぶやきました。

 

「海岸寺石仏シリーズ」「花シリーズ」「江古田シリーズ」の三部構成から展示はされます。

 

「こうみょう《光明》とは、希望、仏・菩薩から発する慈悲や智慧を象徴する光。

あらゆる人を救い、あらゆる願いをかなえてくれるといわれる観音。」

と、語る写真家・星野寿一がそこにいる。

 

最後になりましたが、奥様の「星野みどり」さんのご理解、ご協力・ご努力があり作品が完成したことを付け加えさせ戴かねばなりません。

心より感謝申し上げます。

 

「作品と写真作家・星野寿一」につてては次回に書かせて戴きます。

 

※下記アンプロタイプの説明です、時間のあるときにお読み下さい。

1854年6月、ボストンに住むジェームス・アンブロス・カッテイング(James Ambrose Cutting 1814-1867:アメリカ)は、写真に関する三つのパテント(No.11213, 11266, 11267)を取得しました。最初の二つ、パテントNo.11213と11266に関してはコロディオン法の化学薬品にニトロセルロースとカンフル(樟脳)を添加するというコロディオン法の改良についてもの。そして、三つめNo.11267は、ガラス板に残されたコロディオンにあるイメージを香油の一種であるバルサムを使ってコーティングするというもので、これはアンブロスの考案したアンブロタイプ(Ambrotype)と呼ばれる新たな写真法に関するものです。

アンブロタイプはコロディオン法と同じプロセスではありながら、より濃いコロディオンを使用しガラスネガティブを作成します。これはコロディオン法と同じ原理で硝酸銀を使用したガラスネガティブなわけですが、黒い布などの上に置くと濃いコロディオンを使用しているために、コントラストが通常のガラスネガティブより明確になりポジティブのように見えます。フィルムネガティブの背後に黒い布などを置くとポジティブのように見えるのと丁度同じ原理です。

つまり、アンブロタイプは基本的にはコロディオン法をベースにしているわけですが、単純にコロディオン法のガラスネガティブを使用しても像の鮮明さには欠ける場合があるものの同じ結果が得られます。このことから、なにもアンブロスの考案した、コロディオン剤にニトロセルロースやカンフルを配合しバルサムを使ってコーティングした像だけではなく、それまでのコロディオン法で作成したガラスネガティブの背後に布などを置き鮮明に見えるようにしたものもアンブロタイプと呼ばれています。実際、アンブロスのオリジナルのプロセスによるアンブロタイプとコロディオン法のガラスネガティブとの目視による識別はかなり困難です。また、アンブロタイプは浮かび上がった像が銀を含んでいることから、ガラスのダゲレオタイプ、と呼ばれた時期もあります。

ポジティブ化のため背後を黒くする方法

さて、いずれにせよ像を見るためにはガラスネガティブをポジティブ化させるため背後を黒くする必要があったわけですが、そのため、アンブロタイプはダゲレオタイプと同じくケースを使用することになります。また、背後を黒くする方法は大きく四つありました。一つはガラスネガティブを入れたケースの底板を黒くペイントする方法、二つめはガラスネガティブとケースの底板の間に黒い布や黒く塗った金属板を入れる方法、三つめはガラスネガティブの裏側を黒くエナメルで塗る方法、四つめはガラス板そのものに工夫があり、ルビーガラスと呼ばれる深いルビー色のガラス板を使って撮影する方法です(写真のはじまり物語/雷鳥社刊 P35 参照)。

しかし、四つめのルビーガラスは高く付いたために、通常は一から三番目の方法で透明ガラスを使用していました。つまり、アンブロタイプは技法は進化していながらも、形態としてはダゲレオタイプと同じ、ということができます。また、歴史的に見ても写真に最も重量があったのが、このアンブロタイプでしょう。ガラスはヴァージニア州に入植したヨーロッパからの人々が生産をはじめ、18世紀末には工場生産が行なわれるようになりましたが、1850年代当時まだガラス板は非常に肉厚で、切り出しも手作業だったらしく、アンブロタイプのガラスネガティブの断面にはその痕跡が伺えます。

左右反転が簡単に行なえたアンブロタイプ

アンブロタイプは一枚ごとに露光が必要であることはダゲレオタイプと変わりありませんでしたが、左右を正しく見るために像を反転する必要はありませんでした。なぜなら、ガラス板の裏面を表として見れば左右反転は簡単に行なえたためです。この見方は像を不鮮明にしましたが、多くの写真家は像の不鮮明さよりむしろ左右が正体であることを望んでいたため、この時期のアンブロタイプには裏面を正体とするものが多くあります。そして、アンブロスは、左右を正体にするために裏面を表とし背後を黒くして像をポジティブとして呼び起こす、というプロセスについてパテントを取得しませんでした。なぜなら、1840年の時点でハーシェルがガラス・コロディオン法の解説の中で、そのことを示唆していたためです。このため、アンブロタイプという言葉が正式にパテント上に登場するのは1854年6月26日のイギリスにおける登記から、ということになります。

アメリカにおいてもアンブロタイプという言葉が使われるようになったのは、イギリスでのパテントの登記以降となるのですが、それでも初期の段階ではもう少し違った言い回しがされていました。例えば、1854年12月付のフォトグラフィック・アート・ジャーナルではフィラデルフィアからのニュースとして「リチャードとベッツの二人はとても美しいガラスのダゲレオタイプを見せてくれた。現在、多くの写真はその殆どが銀板によるものだが、この新しい技法はより正確に像の持つ雰囲気を伝えている。また、銀板に像を浮かび上がらせるダゲレオタイプのように目障りな反射やギラつきがない」と伝えています。

そして、この新しい技法はレン(Isaac Rehn1815-1883:アメリカ)によってフランクリン・インステテュートで紹介され、その際、アメリカではじめてアンブロタイプという名称が使われました。アンブロスはボストンで、そしてレンはフィラデルフィアでアンブロタイプを広めた第一人者ですが、アンブロタイプという名称は、フィラデルフィアのダゲレオタイピストであり写真史家でもあるルーツ(M.A.Root:アメリカ)の発案によるものです。彼はレンの友人ですが、レンにガラスに写し出された像を見せられた際、不滅あるいは永遠を意味するギリシャ語のアンブロトス(Ambrotos)から、アンブロタイプの名称を考案しました。

 

●下記、コマーシャルは冬青社、ギャラリー冬青、高橋国博のブログとは全く関係がございません。


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